各メーカーから星の数ほどの塗料が販売されています。
塗装屋はお客様の要望を考慮に入れ、材料屋と相談しつつ、塗料の特徴や対応年数、価格などを総合的に考えて選定します。
外壁塗装で用いる塗料にはどんな種類や特徴があるのでしょうか?

外壁塗料の種類

一般的に用いられている外壁塗料は、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料で、価格や耐久年数で並べると、ウレタン<シリコン<フッ素 となります。
他にもチョーキングが起きにくいラジカル制御型塗料や、セラミックやケイ素などの無機物を主成分とした無機塗料がありますが、それらにもウレタン、シリコン、フッ素などの有機物が含まれていますし、無機塗料に関してはあまり一般的ではありませんので、今回はウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料の特徴を取り上げてみたいと思います。

ウレタン塗料

ウレタン塗料はウレタン系樹脂を主成分とした塗料です。
柔軟性があるので、気候や熱で収縮しやすい木部や、ひび割れしやすいコンクリート下地への塗装に向いています。
ですので、破風板や屋上の防水に使用されているわけです。
また密着性も高いので鉄部や樋などの塩ビにも塗装できます。

しかし屋根や外壁の場合、シリコン塗料と比べ白化が早いです。
シリコン塗料よりも値段は安いですが、塗り替え時期も早いことも考慮に入れると良いでしょう。

シリコン塗料

シリコン塗料とは合成樹脂がシリコン樹脂でできた塗料のことです。
ウレタン塗料と比べ高光沢、高耐久です。
5年ほど前にシリコン塗料で塗装した家の工事をしたのですが、全く壁が傷んでおらず、塗装したての光沢を保っていたのにはビックリしました。
それだけ高機能にもかかわらず、ウレタン塗料と比べとても大きな価格差があるわけではないので、コストパフォーマンスがとても良い塗料だと言えます。
また、湿気を通す透湿性もあるので、結露や藻やカビを防ぐ効果もあります。

フッ素塗料

フッ素塗料も他の塗料と同じく、合成樹脂にフッ素が用いられています。
塗料の値段が高い分、シリコン塗料よりも高耐久です。
その耐久性の高さから、頻繁に塗り替えができないビルや橋などの巨大な建造物で使用されています。
高機能な塗料で塗り替えを希望される方や、塗り替え回数を減らしたい方におススメの塗料です。
あるいは、紫外線で傷みやすい屋根だけ使用することもできるでしょう。

1液性・2液性、水性・油性

ここまで取り上げてきたどの塗料にも、1液性・2液性、水性・油性の塗料があります。

1液性・2液性とは

1液性の塗料は塗りやすい粘度になるようシンナーや水で薄めて使用しますが、2液性の塗料は主剤と硬化剤を混ぜて使用します。
一般的に1液性よりも2液性の方が耐久性が高いと言われていますが、2液性は主剤と硬化剤の比率が塗料ごとに細かく決められており、比率を間違うと効果不良を起こしてしまうので取扱いに注意が必要です。
また1液性の場合、余った塗料を缶に戻すことができますが、2液性の塗料は使い切らなければ硬化してしまい無駄になってしまうので、コストが掛かりやすいです。
しかし2液性の塗料は、鉄部など塗装可能な範囲が広いという特徴もあります。

水性・油性とは

塗料を薄めるために水を使用するのが水性塗料、シンナーを使用するのが油性塗料となります。
一般的に油性塗料の方が耐久性が高いと言われていますが、技術の進歩によりその差は昔ほどでは無くなっています。
実際、各メーカーから多くの水性塗料が販売されています。
環境や人体に配慮した、安全な塗料が必要とされている時代なのかもしれません。
一方、油性塗料が向いているのは、特に耐久性が求められている部分の塗装や、気温が低い時、また速乾性が求められる時などです。
家の傷み具合や、費用、周りの環境などを考慮して選ぶことができるでしょう。